最近歌詞を読むことが少なくなりました。

というか、読みたくない。

好きな曲はどんなことを言ってるのかな、と好奇心をかき立てられることはもちろんですが、でも聞き取れない(英語でも日本語でも)ままに雰囲気とか、ときどきキャッチできる言葉とかから自分で意味を勝手に意味を作りあげてしまう方が楽しいからです。

全く主観的な話ですが、そうやる方が自分好みの楽しみ方や意味合いができてきますから満足度も高いんです。

実際に本当の歌詞を読んでがっかりしたことも何度もありますから。 自分では非常に深い意味のあるものだと思っていたのが実はもっと軽薄なものだったりして。

また、パッと1回読んだだけで意味がはっきりとわかってしまう歌詞はつまらないと思うんです。

「どんな意味なんだろ」と空想したり、謎解きしたりするところが楽しいし、その結果自分にとって非常に深い意味を発見したときなんかは本当に満たされた気分になります。

その神秘性が音楽の魅力なんですね、僕にとっては。

なので答えをみてしまってはつまらない。 映画とは本で先に結末を知らされるようなものです。

でもTori AmosとかU2とか、歌詞を読んでもすぐに意味のわからない優れた作詞家もいます。 ただ難解というか、単にデタラメなんではなくて、比喩や形容の仕方が独特で複雑な人たち。 でもよく考えてみると筋が通っている。 そういう歌詞を書くのは非常に難しいです。

自分もそういう歌詞を目指しているんですが、やはり全ての曲でそのレベルに達するというわけにはいきません。 曲にもよりますが、レコーディング間際まで修正に修正を重ねて、これでいい、と自分で思える域を追求するんですね。

でも神秘性を失いたくないので、実は意図的につじつまが合わないように、矛盾していることを書いたり、別の声を割り入れたり、言葉遊びを使ったりしています。 僕の歌の中には話が入っている時もありますが、でもストーリー「性」があるだけで話としてはなりたたないようにしています。 アルバム全体もそう。 コンセプトアルバムではないんですけど、でも筋書きはあるんです。

しかしただ難解で矛盾していればいい、というものでもありません。 話自体はぼんやりしている印象でも、感情的にははっきりさせるというのが僕の一つの理想です。 感情的に、というのは、どういう気持ちを表現しているのか、そこは明確にするということですね。 なのでコーラスやブリッジにはその曲の「核」というべき歌詞を入れるようにしてます。 そこがその曲の焦点なんですね。

でも作った本人の意図も幾多とある解釈の一つ。 僕がどういおうと、聴いた人が自分でつくりあげる解釈も正しいのです。

難しいことをいっても、とにかくどんな形であれ楽しんで聴いてくれればいいんです。

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